第4章 §1-B

サブエージェント活用詳細(Antigravity中心)

Antigravity CLI(agy)/Antigravity(Desktop)においてサブエージェントを定義し、呼び出し、並列・自動化の単位に拡張する方法をAntigravity系列に限定して整理した詳細ドキュメント  |  共通の概念は第4章 §1リファレンスで、Claude系列は第4章 §1-A Claude中心で扱う。

対象バージョンAntigravity CLI(agy)1.1.0+ / Antigravity 2.0 — Claude版は§1-Aを参照
ドキュメント収集日2026-07-14
バージョン確認方法Antigravity CLI:agy --versionまたはセッション内で/usage · Antigravity Desktop:アプリ内の情報画面

1. サブエージェントを定義する

Google系列(Antigravity Desktop/CLI)には別途の定義ファイルが存在しない — オーケストレーターが与えられた目標を見てその都度サブエージェントを作成する。

Antigravity(Desktop) ワークスペース単位 — 別途の定義ファイルなし

Antigravity Desktop(デスクトップ)のAgent Managerは、エージェントを事前に定義されたファイル単位ではなくWorkspace単位で扱う。ユーザーが目標を与えると、そのWorkspaceを担当するエージェント(オーケストレーター)が自ら下位タスクを分割し、必要なサブエージェントをその場で作成する。つまり「reviewer.mdのようなファイルを事前に用意する」という概念自体が存在しない。

Antigravity CLI(agy) — オーケストレーターが動的に生成

Antigravity Desktop(デスクトップ)と同様に、agyも事前定義ファイルなしで、目標(goal)を受け取るとオーケストレーターエージェントが作業をどう分割するかを自ら判断し、サブエージェントをその場で作成して並列実行する。各サブエージェントは独立したコンテキストウィンドウを持ち、メインセッションの文脈が薄れるのを防ぐ。

Antigravity(Desktop/CLI)には「サブエージェント定義ファイル」という概念自体が存在しない — 初級実習でAntigravity側にClaude Desktop App/Codeのreviewer.mdと全く同じ例を無理に作ると事実と食い違うことになる。Antigravityの「入門実習」はファイルを作ることではなく、目標を与えてオーケストレーターが自ら作業を分割していく過程を観察することである。

2. サブエージェントを呼び出す/委任する

Antigravity系列はAgent Manager UIとスラッシュコマンドでエージェントに目標を委任する。

Antigravity(Desktop) Agent Manager UI

Antigravity Desktopでは、Agent Manager画面でWorkspaceを選び、そのWorkspaceを担当するエージェントをスポーン(Local ModeまたはNew Worktree Mode)した後、自然言語で目標を与える。承認・フィードバックが必要な時点ではInboxにメッセージが溜まる。「サブエージェントを呼び出す」という概念よりも「エージェントに目標を任せて進行状況を見守る」に近い。

Antigravity CLI(agy) — /goal、/agent、/agents

Claude CodeのAgent/Taskツールと同じ「動的に必要なサブエージェントをスポーンする」という動作を、agyではスラッシュコマンドで呼び出すという違いだけである(§1-Aセクション2参照)。agyセッションで/goalにより目標を与えると中間確認なしに最後まで実行し(与えなければ主要ステップごとに確認のため停止する)、/agentで長期作業をバックグラウンドに任せたまま別のプロンプトを続けられる。/agentsは実行中/完了/停滞したサブエージェントの一覧を表示するパネルである。

agy                      # TUIセッションを開始
/goal notes.txtファイルを検討し改善点を要約して
/agents                  # 実行中/完了したサブエージェントの一覧

非対話的な自動化が必要な場合はagy -p "プロンプト"で一度だけ実行して終了できる(CI/自動化用)。プロジェクトにどの設定・スキル・プラグイン・フックが読み込まれているかを確認するにはagy inspectを使う。


3. 並列実行

Antigravity系列はWorkspace単位とセッション単位の2つの階層で並列実行をサポートする。

Antigravity(Desktop) Agent Managerで複数のWorkspaceにエージェントを割り当て

Antigravity Desktop(デスクトップ)のAgent ManagerはEditorより上位のレベルで複数のWorkspaceにまたがる複数のエージェントを一目で管理するインターフェースである。コードを直接書くよりもエージェントを通じてコードベースとやり取りする方式が基本である。各Workspaceには原則としてエージェントを1つずつ割り当てることが推奨されるが、必要であれば1つのWorkspaceを複数のエージェントで共有することもできる。エージェントをスポーンする際は、アクティブなフォルダで直接作業するLocal Modeと、隔離されたgit worktreeで作業するNew Worktree Modeのいずれかを選択する。

同じディレクトリ・Workspaceで複数のエージェントを同時に動かすと「認知的重複(cognitive overlap)」が発生する可能性がある — 1つのエージェントが同じフォルダで作業中の別のエージェントの結果を自分の作業文脈と勘違い(ハルシネーション)してしまう問題である。Workspaceやworktreeでエージェントを分離することが推奨される慣行であり、例外的に見逃してよい些細な問題ではない。

Antigravity CLI(agy) — セッション内部+セッション間の並列

agyは2つの階層の並列性をサポートする。1つのセッション内ではオーケストレーターが複数のサブエージェントを同時に実行し、セッション間ではターミナルを複数立ち上げて異なるagyセッションを独立して並列実行できる — 異なるファイルを扱う限り安全である。Antigravity Desktop(デスクトップ)のAgent Managerが使えない環境では、このセッション間並列が代替手段となる。

項目Antigravity(Desktop)Antigravity CLI(agy)
並列実行単位 ワークスペースごとの独立したエージェント セッション内部+セッション間(複数ターミナル)

4. 自動化/フック

Antigravity系列では、自動化はコマンドラインインターフェース(CLI)の非対話モードと設定確認コマンドが担う。

Antigravity(Desktop) — 該当なし、GUI中心

Antigravity Desktop(デスクトップ)はGUIで承認・進行を管理する構造のため、Claude Codeのフックに相当する自動発火の仕組みがない。自動化が必要な繰り返し作業はAntigravity CLIに移すのが現実的である。

Antigravity CLI(agy) — 非対話実行+設定確認

agy -p "プロンプト"は一度実行して終了する非対話モードで、CIパイプラインのような自動化に適している。agy inspectはプロジェクトに読み込まれた設定・スキル・プラグイン・フック構成を表示する — Claude Codeのフック自動発火に対応するものではないが、「現在どの設定が実際に適用されているか」を確認する役割は同じである。

agy -p "コミットメッセージの草案を作成"   # 非対話 — 一度実行して終了
agy inspect
# → skills: 3 loaded, plugins: 1 loaded
# → hooks: none configured
# → config source: ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json

実務のヒント:Antigravityには計算された作業量(work done)に基づき、周期的に更新される使用量クォータがある。正確な数値はアカウント・プランごとに異なる場合があるため、複数のエージェントを長時間並列で動かす作業を計画する際はこの点を考慮しておくのが安全である。

Agent Managerは急速に発展中の機能である — フラグ名、デフォルト動作、UI構成がリリースごとに変わる可能性があるため、プロダクションワークフローに依存する前に最新のリリースノートを確認すること。

参考リンク


Antigravity CLI 1.1.0+ · Antigravity 2.0基準 | 2026年7月