第4章 §1

第4章 §1 · ハーネスベースのマルチエージェントチーム活用

Claude Code / Claude Desktop App / Antigravity CLI / Antigravity(Desktop)の4つのツールでサブエージェントを定義し、呼び出し、並列・自動化の単位に拡張する方法を並べて整理したリファレンス  |  公式ドキュメント: Claude Code — Subagents · Antigravity CLI — Getting Started · Antigravity CLI — Using · Antigravity — Agent Manager

対象バージョンClaude Code 2026-07リリース / Antigravity CLI (agy) 1.1.0+ / Antigravity 2.0
資料収集日2026-07-14
バージョン確認方法Claude Code/App: claude --version · Antigravity CLI: agy --version またはセッション内で /usage · Antigravity Desktop: アプリ内の情報画面
改訂時の確認事項Claude Code Agent TeamsとAntigravity CLI/Agent Managerはいずれも急速に変化する機能のため、フラグ名・コマンド・UI構成がリリースごとに変わる可能性があるので最新のリリースノートを優先的に確認すること
2026-06-18を境に、Googleは個人(Free/Pro/Ultra)ユーザー向けのGemini CLIサービスを終了し、その後継としてAntigravity CLI(agy)が導入された。本章はそれ以前はGemini コマンドラインインターフェース(CLI)を基準に書かれていたが、現時点を基準にAntigravity CLI/デスクトップ(Desktop)へ全面的に更新した。ツール別特性の詳細な比較はツール比較を参照。

概要 — 全体構造

ハーネスベースのマルチエージェントチーム活用 (Desktopアプリを基準に、CLIは同一概念の代替として併記)
├── サブエージェントの定義
│   ├── Claude Desktop App / Claude Code    .claude/agents/*.md (YAML frontmatter、事前定義 — 両方とも同一)
│   └── Antigravity(Desktop) / CLI  事前定義ファイルなし — オーケストレーターが目標を見て動的に生成
├── サブエージェントの呼び出し/委任
│   ├── Claude Desktop App / Claude Code    Agent(Task)ツール — description / prompt / subagent_type
│   └── Antigravity(Desktop)/CLI    Agent Manager UI(Desktop) · /goal, /agent, /agentsパネル(CLI)
├── 並列実行
│   ├── Claude Desktop App                  Agent Teams(in-processのみ)
│   ├── Claude Code                 Agent Teams(in-process/tmux) + 1メッセージで複数Agent呼び出し
│   ├── Antigravity Desktop         Agent Manager — Workspaceごとのエージェント(Local/New Worktree Mode)
│   └── Antigravity CLI             セッション内部並列サブエージェント + セッション間(複数ターミナル)並列
└── 自動化/フック
    ├── Claude Desktop App                  フック未発火 — 手動実行が必要
    ├── Claude Code                 PostToolUse/TeammateIdle/TaskCompletedフックが自動発火
    ├── Antigravity Desktop         該当なし — GUI中心
    └── Antigravity CLI             agy -p "プロンプト"(非対話型CI用)、agy inspect(設定確認)
エージェントチーム構成例
Main Session オーケストレーター writer 下書き作成 reviewer レビュー / フィードバック researcher 調査 (optional) 下書き引き渡し オーケストレーターがリクエストに応じて専門家を動的に組み合わせる

1. サブエージェントの定義 — 事前定義 vs 動的生成

Anthropic系(Claude Desktop App/Claude Code)は、プロジェクトフォルダ配下にマークダウンファイル1つでサブエージェントを1つ事前定義しておく。Google系(Antigravity Desktop/CLI)には別途の定義ファイルがない — オーケストレーターが与えられた目標を見て、その都度サブエージェントを作成する。以下ではClaude Desktop AppとAntigravity(Desktop)を基準にまず説明し、それぞれのCLI対応を続けて紹介する。

Claude系の具体的な定義・呼び出し方法は§1-A Claude中心で、 Antigravity系の具体的な方法は§1-B Antigravity中心で扱う。

frontmatterフィールドClaude Desktop App / Claude Code (.claude/agents)Antigravity (Desktop/CLI)
name 必須。subagent_typeの値と一致しないと呼び出し不可 該当なし — 定義ファイル自体が存在せず、オーケストレーターが実行時点で役割・ツール範囲を自ら判断してサブエージェントを生成する
description このエージェントがいつ使われるかを説明、自動トリガー判断の参考になる
tools 使用可能なツールのリスト、省略時はデフォルトセットを継承
model sonnet / opus / haikuなどのエイリアスを指定
Antigravity(Desktop/CLI)には「サブエージェント定義ファイル」という概念自体が存在しない — 初級実習でAntigravity側にClaude Desktop App/Codeのreviewer.mdと全く同じ例を無理に作ると事実と乖離する。Antigravityの「入門実習」はファイルを作ることではなく、目標を与えてオーケストレーターが自ら作業を分割していく過程を観察することである。

2. サブエージェントの呼び出し/委任

Anthropic系(Claude Desktop App/Claude Code)はAgent/Taskツールで別コンテキストのサブエージェントをスポーンする。Google系(Antigravity Desktop/CLI)はAgent Manager UIまたはスラッシュコマンドでエージェントに目標を委任する。

Claude系の具体的な呼び出し方法は§1-A セクション2で、 Antigravity系の具体的な方法は§1-B セクション2で扱う。


3. 並列実行 — 4つのツール比較

4つのツールすべてが並列実行をサポートするが、方式が異なる。Claude系はAgent Teams / 複数Agent呼び出し、Antigravity系はAgent Manager / セッション間並列を使用する。

同一ディレクトリ・Workspaceで複数のエージェントを同時に動かすと「認知的重複(cognitive overlap)」が発生することがある — あるエージェントが同じフォルダで作業中の別のエージェントの結果を自分の作業コンテキストと誤認(ハルシネーション)する問題である。Workspaceやworktreeでエージェントを分離することが推奨される慣行であり、例外的に見逃してよい些細な問題ではない。

Claude系の並列実行方式は§1-A セクション3で、 Antigravity系の並列実行方式は§1-B セクション3で扱う。

項目Antigravity (Desktop)Claude Desktop AppAntigravity CLI (agy)Claude Code (CLI)
並列実行単位 ワークスペースごとの独立エージェント Agent Teams (in-processのみ) セッション内部 + セッション間(複数ターミナル) 1メッセージ内での複数Agent呼び出し / Agent Teams(in-process + tmux)

4. 自動化/フック — 何が自動的に発火するか

Claude Code(CLI)はイベントフック(PostToolUse/TeammateIdle/TaskCompleted)を自動発火するが、Claude Desktop AppとAntigravityデスクトップ(Desktop)はフックを自動発火しない。Antigravity コマンドラインインターフェース(CLI)はagy -pで非対話型実行、agy inspectで設定点検を提供する。

Claude系の自動化/フックの詳細は§1-A セクション4で、 Antigravity系の自動化/フックの詳細は§1-B セクション4で扱う。

実務のヒント: Antigravityには計算された作業量(work done)に基づく、定期的に更新される使用量クォータがある。正確な数値はアカウント・プランごとに異なる可能性があるため、複数のエージェントを長時間並列で動かす作業を計画する際はこの点を考慮しておく方が安全である。

Agent TeamsとAgent Managerはいずれも急速に発展中の機能である — フラグ名、デフォルト動作、UI構成がリリースごとに変わる可能性があるため、プロダクションワークフローに依存する前に最新のリリースノートを確認すること。

参考リンク


Claude Code 2026-07 · Antigravity CLI 1.1.0+ · Antigravity 2.0 基準 | 2026年7月