co-consult + co-deck統合パイプライン
co-consultで分析した結果をco-deckで発表資料に仕上げる、統合ワークフローを学びます。コンサルティングレポートからプレゼンテーションまで、トピックを入力してから30〜45分で完成します。
- なぜco-consultとco-deckを統合するのか
- 手動ハンドオフの方法(レポート → 発表資料)
- フルパイプライン演習(トピック → 30〜45分後に完成)
- 両システムのエージェント構成の違い
- 統合を成功させるためのヒント
なぜ統合するのか
コンサルティング成果を発表につなぐ自然な流れ
実務でコンサルティングプロジェクトを進めると、一般的に次のような流れになります。まず市場やトピックについて調査と分析を行い、その結果をレポートにまとめます。そして、このレポートをもとに発表資料(プレゼンテーション)を作成し、ステークホルダーに伝えます。
co-consultはこの流れのうち調査と分析を担当し、co-deckは発表資料の作成を担当します。両システムをつなげば、トピックをひとつ入力するだけで、分析レポートからプレゼンテーションまでの一連のプロセスを自動化できます。
初心者のための例え話
co-consultが「調査レポート」を書くと、co-deckがそのレポートをもとに「発表スライド」を作る、というわけです。会社で企画チームが調査した内容をデザインチームがプレゼンテーションに仕上げてくれるのと同じ流れです。
成果物の流れ
co-consultが生成する主要な成果物はresearch_notes.mdです。このファイルには、Web検索で収集した資料、重要なファクト、出典情報が整理されています。co-deckのリサーチエージェントもresearch_notes.mdを生成するため、両システム間の共通インターフェースとして機能します。
- co-consultの成果物 — research_notes.md、分析レポート、市場インサイト
- co-deckの入力 — research_notes.mdをもとにスライドを構成
- co-deckの成果物 — slide_deck.md、design_spec.md、HTMLスライド、PDF
統合ワークフロー全体図
上の図のように、co-consultでresearch_notes.mdを生成したら、それをco-deckプロジェクトへハンドオフ(Handoff)します。ハンドオフが完了すると、co-deckのPMエージェントが残りのプロセスを自動的に進めます。
手動ハンドオフの方法
現在のハンドオフは手動方式
co-consultとco-deckは、それぞれ独立したプロジェクトとして動作します。現時点では、両システム間の自動連携機能はまだ提供されていません。そのため、ユーザーが自分でファイルをコピーし、co-deckに依頼するという手動ハンドオフの作業を経る必要があります。
ただし心配はいりません。手動ハンドオフは数分で終えられる簡単な作業です。ファイルをひとつコピーして、PMに一言頼むだけです。
ハンドオフの手順
ハンドオフは次の三つのステップで進みます。
presentations/<プロジェクト名>/フォルダにコピーします。ハンドオフの詳細ステップ
- co-consultプロジェクトを開く — Claude Desktop Appでco-consultプロジェクトフォルダを開きます。
-
research_notes.mdのパスを確認 — 通常は
engagements/<プロジェクト名>/research/research_notes.mdというパスにあります。 -
ファイルの内容を確認 — research_notes.mdを開いて、次の内容が含まれているか確認します:
- トピックに関する重要なファクトと統計
- 市場動向とインサイト
- 出典URL(信頼性確認用)
- 主要キーワードの一覧
- co-deckプロジェクトを開く — 別のClaude Desktop Appウィンドウでco-deckプロジェクトフォルダを開きます。
-
research_notes.mdをコピー — co-consultのresearch_notes.mdの内容を、co-deckプロジェクトの
presentations/<プロジェクト名>/フォルダにresearch_notes.mdというファイル名のまま保存します。 -
PMに依頼 — co-deckのClaudeに次のように入力します:
「research_notes.mdにまとめた内容をもとに、発表資料を作ってください」
ハンドオフの会話例
co-deckのPMに依頼するときの会話例です。
フルパイプライン演習
演習の目標
この演習では、「韓国のデリバリーアプリ市場」というテーマでco-consultによる市場分析を行い、その結果をco-deckでプレゼンテーションに変換するまでの一連の流れを体験します。
全体ステップ
-
co-consultプロジェクトで市場分析を実行(約15〜20分)
Claude Desktop Appでco-consultプロジェクトを開き、PMエージェントに依頼します。第6章で学んだ内容を復習しながら進めましょう。
会話例:
「韓国のデリバリーアプリ市場について市場分析をしてください。Baedal Minjok、Yogiyo、Coupang Eatsの競争構造と最近のトレンドを中心に。」 -
research_notes.mdとレポートの内容を確認(約3〜5分)
co-consultのリサーチエージェントと分析エージェントが作業を終えたら、research_notes.mdと最終レポートを確認します。重要な統計、市場規模、競合比較の内容が含まれているか見直しましょう。 -
co-deckプロジェクトへハンドオフ(ファイルコピー)(約2分)
research_notes.mdファイルをco-deckプロジェクトのpresentations/<プロジェクト名>/フォルダにコピーします。ファイル名はresearch_notes.mdのまま使います。 -
co-deckのPMに依頼(約1分)
co-deckプロジェクトのClaudeでPMエージェントに依頼します。
会話例:
「research_notes.mdの韓国のデリバリーアプリ市場分析をもとに、発表資料を作ってください。15枚ほど、対象は一般の方です。」 -
Gate 2承認 — スライド内容のレビュー(約5分)
PMがstorylineエージェントとリサーチエージェントを経由してslide_deck.mdを生成した後、Gate 2の承認を求めてきます。スライドのタイトル、順序、核となるメッセージを確認して承認します。
会話例:
「スライド構成を確認しました。市場概要 → 競合比較 → トレンド → 展望の順で良いですね。承認します。」 -
Gate 5承認 — サンプルPDFのレビュー(約5分)
PMがデザイン、画像キュレーション、HTMLビルド、PDF生成を順に進めた後、5枚分のサンプルPDFを見せてきます。レイアウト、フォント、色を確認して承認すると、全ページのPDFが生成されます。
会話例:
「サンプルPDFを確認しました。レイアウトもフォントもきれいですね。全ページのPDFを生成してください。」 -
最終成果物の確認(約2分)
全ページのPDFが生成されたら、最終ファイルを開いて確認します。co-deckのpresentations/<プロジェクト名>/フォルダにHTMLファイルとPDFファイルが一緒に保存されます。
フルパイプラインのタイムライン
各ステップで確認すること
- co-consultの分析ステップ — research_notes.mdの出典が明確か、重要な統計数値があるかを確認します。信頼できない出典が含まれている場合は、この段階で修正しておくのがおすすめです。
- ハンドオフステップ — ファイルパスが正確か、ファイルの内容が完全にコピーされているかを確認します。ファイルが壊れていると、co-deckのPMが内容を読めません。
- Gate 2 — slide_deck.mdのスライド順序が論理的か、各スライドの核となるメッセージが明確かを確認します。ここで修正を求めると、storylineエージェントが内容を再構成します。
- Gate 5 — サンプルPDFのレイアウト、フォントサイズ、色のコントラストを確認します。テキストが切れていたり読みにくかったりする場合は、ここでフィードバックします。
エージェント構成の違い
co-consultとco-deckはよく似た構造のマルチエージェントハーネスを使いますが、それぞれのシステムの目的に合わせて専門エージェントの構成が異なります。コンサルティングに必要なエージェントと、プレゼンテーション制作に必要なエージェントは、自然と異なるものになるでしょう。
co-consult専用エージェント
co-consultは市場分析とコンサルティングに特化したエージェントを擁しています。
- strategy-analyst — 市場分析、競合リサーチ、財務モデリングを担当します。
- industry-expert — 業界別のインサイト、競争力学、規制環境を分析します。
- sme — HR、財務、運営、マーケティングなど機能別の専門領域を担当します。
- data-analyst — 統計分析、データモデリング、可視化を担当します。
- communications-lead — クライアントコミュニケーション、プレゼンテーション、戦略ナラティブを作成します。
- change-management-partner — 組織変革マネジメント、組織文化戦略、ステークホルダーアライメントを担当します。
- solutions-architect — 技術ソリューションの設計、システムアーキテクチャ、実行ロードマップを策定します。
- workstream-lead / delivery-manager — ワークストリームおよびデリバリーの調整を担当します。
co-deck専用エージェント
co-deckはプレゼンテーション制作に特化したエージェントを擁しています。
- design — 視覚デザインの決定。カラーパレット、フォント、レイアウトをdesign_spec.mdに定義します。
- image-curator — スライド用画像の検索とダウンロード。Pixabay、Unsplash、Pexelsから商用利用できる画像を探します。
- diagram-specialist — SVGダイアグラムとチャートの生成。フローチャート、比較表、タイムラインなどを作成します。
- measure — HTMLスライドのレイアウト測定。PDF変換用のピクセル座標を抽出します。
共通エージェント
どちらのシステムも、次のエージェントを共有しているか、似た役割のエージェントを擁しています。
- PM — プロジェクト全体をオーケストレーション。エージェントの配置、ゲート管理、進捗管理を担当します。
- research — Web検索と資料収集。research_notes.mdを生成します。
- source-verifier — 出典URLの検証と信頼性評価。
- storyline — 内容構造の設計。slide_deck.mdまたはレポート構造を作成します。
- html-build — HTMLファイルの生成(co-deck専用ですが、構造は似ています)。
- pdf-export — PDFへの変換。
- version — ファイルのバージョン管理。修正前の自動バックアップ。
エージェント比較表
co-consultのエージェント
- strategy-analyst — 市場/競合分析
- industry-expert — 業界インサイト
- sme — 機能別専門性
- data-analyst — データ分析
- communications-lead — コミュニケーション
- change-management-partner — 変革マネジメント
- solutions-architect — ソリューション設計
- workstream-lead — ワークストリーム調整
- delivery-manager — デリバリー調整
- technology-specialist — 技術導入支援
- PM (Engagement Leader) — オーケストレーション(固定パイプラインなし)
co-deckのエージェント
- design — 視覚デザイン
- image-curator — 画像キュレーション
- diagram-specialist — ダイアグラム
- measure — レイアウト測定
- PM — オーケストレーション
- research — Webリサーチ
- source-verifier — 出典検証
- storyline — スライド構成
- html-build — HTML生成
- pdf-export — PDF変換
- version — バージョン管理
成功のヒント
co-consultとco-deckを統合して使うときに知っておくと良いヒントをまとめます。
ハンドオフ前:co-consultレポートの品質確認
ハンドオフの前に、co-consultが生成したresearch_notes.mdの品質を確認することが大切です。co-deckはこのファイルをもとにスライドの内容を構成するため、入力の品質が出力の品質を決めます。
- 重要なファクトと統計数値が正確か確認する
- 出典URLが有効か確認する
- トピックに関係のない内容が含まれていないか確認する
- 内容が十分に詳しいか確認する(短すぎるとスライドの内容が貧弱になります)
ハンドオフ時:核心内容を要約して伝える
co-deckのPMに単に「このファイルで発表資料を作って」とだけ頼むと、PMはresearch_notes.mdの膨大な内容のうち何を優先すべきか判断しにくいことがあります。核となるメッセージと対象聴衆を一緒に伝えれば、ずっと良い結果が得られます。
「research_notes.mdをもとに発表資料を作ってください。核となるメッセージは[○○]で、対象の聴衆は[○○]です。[N]枚ほどで構成してください。」
co-deck設定:ThemeとStyleを事前に決める
co-deckではTheme(HTML構造)とStyle(CSSスタイル)を選択できます。ハンドオフを始める前にこの二つを決めておけば、PMがStage 0の設定作業を素早く進められます。
- Theme —
pitch-enhanced(ビジネスプレゼンテーション)、outline(講義・教育向け)など全5種 - Style — 色、フォントなどの視覚スタイル(例:
premium-dark、academic)など全5種
docs/html-themes/THEMES.mdで確認できます。すべてのThemeとStyleの組み合わせが互換するわけではないため、PMがStage 0で互換性を自動チェックします。
ゲート承認:スライド内容を入念に確認する
Gate 2とGate 5は修正のチャンスです。一度承認すると、やり直すためにはパイプライン全体を再実行しなければならないこともあります。次の点を入念に確認しましょう。
- Gate 2では: スライドの順序は論理的か?重複する内容はないか?核となるメッセージがよく伝わるか?
- Gate 5では: フォントは見やすいか?レイアウトでテキストが切れていないか?色のコントラストは十分か?
presentations/<プロジェクト名>/research_notes.mdというパスからファイルを読みます。間違ったパスにファイルを保存すると、PMはファイルを見つけられず、リサーチエージェントを新しく実行し直すことになります。
トラブルシューティング
統合パイプラインの実行中に問題が起きたら、次の点を確認してください。
- co-deckがresearch_notes.mdを読めない場合 — ファイルパスが正しいか、ファイル名が正確に
research_notes.mdになっているか確認してください。 - スライドの内容がco-consultと異なる場合 — PMに「research_notes.mdの内容を優先して反映してください」と明示的に依頼してください。
- PDFが崩れる場合 — Gate 5でサンプルPDFを入念に確認し、ハングルフォントが含まれているか確認してください。
- 時間がかかりすぎる場合 — Claude Desktop Appの応答速度に左右されます。ネットワーク環境を確認し、スライド枚数を要求しすぎていないか点検してください。
- co-consult(分析)+ co-deck(発表)= 調査からプレゼンテーションまでの自動化
- ハンドオフはresearch_notes.mdのファイルコピーだけで簡単に完了
- PMに核となるメッセージと対象聴衆を明確に伝えると結果の品質が向上
- Gate 2(内容)とGate 5(デザイン)での入念な確認がポイント
- 最初は簡単なテーマで練習し、徐々に複雑なテーマに挑戦しましょう