第7章

co-deck: AIプレゼンテーションの実践

co-deckは、AIエージェントチームがプレゼンテーション(講義資料、発表スライド)を制作するシステムです。この章ではco-deckの11段階パイプラインを理解し、実際にミニプレゼンテーションを作ってみます。

この章で扱うこと
  • co-deckシステムの紹介とアーキテクチャ
  • 11段階パイプラインの理解
  • テーマ(Theme)とスタイル(Style)の選択
  • ゲート承認(Gate 2: 内容、Gate 5: サンプルPDF)
  • 演習: ミニプレゼンテーションを作る
  • HTMLとPDFの成果物を確認する

co-deckとは

定義

co-deckはAIエージェントチームがプレゼンテーションを制作するシステムです。第5章で見たai-workspace-standardsのバリアントの一つとして、複数のAIエージェントが協力して、講義資料、会議発表、講演スライドなどの高品質なプレゼンテーションを自動生成します。

場所: ai-workspace-standards内のtemplates/co-deck/bun scripts/new-project.ts "<name>" --variant co-deckで自分専用のコピーをスキャフォールドできます。

どんな成果物を作るのか?

co-deckは2種類の成果物を生成します。

  • 単一ファイルHTMLスライドデッキ — すべてのスライド・画像・スタイルが1つのHTMLファイルに収まった自己完結型のウェブプレゼンテーションです。ブラウザで直接開いて発表でき、レスポンシブ対応とインタラクティブ機能を備えています。
  • PDF — 印刷用・配布用のPDFファイルです。レイアウト、フォント、色が保持されるため、共有と保管に適しています。
初心者向けの例え: co-deckは仮想の「プレゼンテーション制作会社」です。PM(プロジェクトマネージャー)がクライアント(ユーザー)と打ち合わせを行い、スペシャリストエージェントたちが各段階(調査、企画、デザイン、制作)を担当します。実際のデザイン会社でプランナーがデザイナーやイラストレーター、開発者を率いる構造に似ています。

co-consultとの違い

第6章で学んだco-consultが戦略分析とレポート作成に特化しているのに対し、co-deckはプレゼンテーションスライドの制作に特化しています。どちらのシステムもai-workspace-standardsをベースにしていますが、目的もエージェント構成も異なります。

co-deck

  • プレゼンテーションスライドの制作
  • research、storyline、html-build、pdf-exportなど
  • 11段階パイプライン
  • 成果物: HTMLスライド + PDF

co-consult

  • 戦略コンサルティングの分析とレポート
  • research、data-analyst、market-analyst、strategyなど
  • PMディスパッチによる7フェーズ(Phase 0〜6)コンサルティングワークフロー
  • 成果物: 分析レポートHTML + PDF

システムアーキテクチャ

エージェント構成

co-deckはPMエージェント1体と10体の専門エージェントで構成されます。PMが中心になってプロジェクト全体を調整し、専門エージェントがそれぞれの領域の作業を行います。

PM Project Manager research source-verifier storyline design image-curator diagram-specialist html-build measure pdf-export version ユーザー auditor リサーチ 企画/デザイン 制作/計測 出力/支援 ユーザー/品質

専門エージェントの役割

各専門エージェントの役割をまとめると次のとおりです。

エージェント 役割 説明
research リサーチ専門家 ウェブからテーマ関連の資料・統計・出典を収集し、research_notes.mdに整理します
source-verifier ソース検証者 収集した出典のURLアクセシビリティと内容の一致を検証し、信頼スコア(Trust Score)を算出します(任意)
storyline ストーリーライナー リサーチ結果をもとにスライド全体の構造とナラティブを設計します。storyline.mdslide_deck.mdを作成します
design デザイナー 色、フォント、レイアウトなどのビジュアルスタイルを決め、design_spec.mdに整理します
image-curator 画像キュレーター Pixabay、Unsplash、Pexelsから商用利用可能な画像を検索・ダウンロードします(任意)
diagram-specialist ダイアグラム専門家 概念ダイアグラムやデータチャートをSVG形式で生成します(任意)
html-build HTMLビルダー slide_deck.mddesign_spec.mdをもとに単一ファイルのHTMLスライドデッキを生成します
measure レイアウト計測器 HTMLスライドのピクセル座標、フォント、色を測定し、PDF生成に必要なレイアウト情報を収集します
pdf-export PDFエクスポーター 5ページのサンプルPDFと全体PDFを生成します。Gate 5でのユーザー承認が必要です
version バージョン管理者 ファイル変更前に自動バックアップを行います。以前のバージョンへの復元も可能です
PMエージェントは上記の専門エージェントを直接実行しません。PMはユーザーの要望を分析し、各専門エージェントへ作業を指示(ディスパッチ)するオーケストレーター役だけを担います。第4章のPM Gatewayセクションを参照してください。

11段階パイプライン

co-deckは11個のStageからなるパイプラインに沿ってプレゼンテーションを制作します。各Stageには担当エージェントが決まっており、定められた成果物を出力します。Stageの間にはGateという承認地点があり、ユーザーは途中で内容をレビューして方向修正できます。

Stage 0 Config プロジェクト 設定 PM Stage 1 Research リサーチ research 1.5 Source Verify (任意) Stage 2-3 Content ストーリーライン storyline GATE 2 Stage 4 Design デザイン design 3.5 Image + Diagram (並列) Stage 5-8 HTML Build html-build Stage 9-10 Measure measure Stage 11 PDF Export pdf-export GATE 5 Stage別の詳細説明 Stage 0 — Config PMがユーザーと打ち合わせてプロジェクトを設定します。テーマ、対象、言語、 Theme、Styleを決め、lecture-profile.mdとproject_state.jsonを作成します。 Stage 1 — Research researchエージェントがウェブ検索を行い、research_notes.mdを作成します。 韓国語と英語の出典をどちらも収集し、スライド制作の情報基盤になります。 Stage 1.5 — Source Verifier(任意) source-verifierが出典のURLアクセシビリティと内容の一致を検証します。 信頼スコア(Trust Score)を算出し、70%未満ならプロジェクトが一時停止します。 Stage 2-3 — Content storylineエージェントがリサーチ結果をもとにスライド構造を設計します。 storyline.md(全体ナラティブ)とslide_deck.md(スライドごとの内容)を作成します。 ここでGate 2の承認が必要です — スライド内容を確認してから進みます。 Stage 4 — Design designエージェントがカラーパレット、フォント、レイアウトを決めてdesign_spec.mdを作成します。 Stage 3.5 — Image + Diagram(任意・並列) image-curatorとdiagram-specialistが並列で実行されます。 画像を検索・ダウンロードし、SVGダイアグラムとチャートを生成します。 Stage 5-8 — HTML Build html-buildエージェントがslide_deck.mdとdesign_spec.mdをもとに、 単一ファイルHTMLスライドデッキ(lecture_v1.html)を生成します。 Stage 9-10 — Layout Measure measureエージェントがHTMLスライドのピクセル座標、フォント、色を測定します。 測定結果はPDF生成に使われます。 Stage 11 — PDF Export pdf-exportエージェントがまず5ページのサンプルPDFを生成します。 Gate 5の承認後に全体PDFを生成します。 versionエージェント — 全Stageでファイル変更前に自動バックアップを行います(横断的)。 実線 = 必須Stage 破線 = 任意Stage GATE = ユーザー承認が必要
Stage 1.5、3.5、4は任意/自動の段階です。ユーザーが承認するのはGate 2(内容承認)Gate 5(サンプルPDF承認)だけです。残りのStageはPMが自動でエージェントをディスパッチして進めます。

Stageごとの核心成果物

  1. Stage 0 — Config(プロジェクト設定)
    PMがユーザーと打ち合わせて、プロジェクトのテーマ、対象読者、言語、Theme、Styleを確定します。この段階でlecture-profile.mdproject_state.jsonが生成されます。
  2. Stage 1 — Research(リサーチ)
    researchエージェントがウェブ検索を通じて関連資料・統計・出典を収集します。成果物はresearch_notes.mdで、スライド制作全体の情報基盤になります。
  3. Stage 1.5 — Source Verifier(ソース検証・任意)
    source-verifierエージェントが収集した出典のURLアクセシビリティと内容の一致を検証します。信頼スコア(Trust Score)を算出し、70%未満ならプロジェクトが一時停止します。
  4. Stage 2-3 — Content(ストーリーライン + スライドデッキ)
    リサーチ結果をもとにstorylineエージェントがスライド全体の構造(storyline.md)とスライドごとの内容(slide_deck.md)を設計します。Gate 2でユーザーがスライド内容を承認します。
  5. Stage 4 — Design(デザインスペック)
    designエージェントがカラーパレット、フォント、レイアウトなどのビジュアルスタイルを決め、design_spec.mdに整理します。
  6. Stage 3.5 — Image Curation + Diagram Generation(並列)
    image-curatordiagram-specialistが並列で実行されます。スライドに使う画像を検索・ダウンロードし、SVGダイアグラムとチャートを生成します。
  7. Stage 5-8 — HTML Build(HTMLスライド生成)
    html-buildエージェントがslide_deck.mddesign_spec.mdをもとに、単一ファイルHTMLスライドデッキ(lecture_v1.html)を生成します。
  8. Stage 9-10 — Layout Measure(レイアウト計測)
    measureエージェントがHTMLスライドのピクセル座標、フォント、色を測定し、PDF生成に必要なレイアウト情報を収集します。
  9. Stage 11 — PDF Export(PDF生成)
    pdf-exportエージェントがまず5ページのサンプルPDFを生成します。Gate 5でユーザーがサンプルPDFを確認・承認すると、全体PDFが生成されます。

テーマ(Theme)とスタイル(Style)

co-deckはThemeStyleという2つの概念でプレゼンテーションの外観を制御します。この2つは独立して選べますが、互換性のある組み合わせが決まっています。

Theme — HTMLレンダリング構造

ThemeはスライドのHTMLレンダリング構造を決定します。レイアウト方式、ナビゲーション構造、スライド切り替え効果、TOC(目次)の表示方法などがThemeによって異なります。

利用可能なThemeは次のとおりです。

Theme パラダイム 特徴
pitch ppt-engine 伝統的なPPTスタイル。下部フッターバー、前へ/次へボタン、TOCドロワー
pitch-enhanced ppt-presenter 高機能PPTスタイル。トランジション選択、台本トグル、タイマー、TTS対応
outline outline アウトライン形式。TOCドロワー + 下部バー、多様なスライドタイプ対応
vertical vertical-scroll 縦スクロール。スティッキー上部バー、自動進行、進捗バー
zen zen シンプルなスタイル。TOCドロワー + 下部バー、トランジション選択
outlook horizontal-scroll 横スクロール。TOCオーバーレイパネル、自動再生対応

Style — CSS変数セット

StyleはスライドのCSS変数セットを決定します。カラーパレット、フォント、余白、背景色などの視覚スタイルがStyleによって異なります。

利用可能なStyleは次のとおりです。

Style 特徴
classic すっきりしたライトスタイル。明るい背景に濃い文字。最も幅広く互換
minimal ミニマルスタイル。装飾を抑え、コンテンツに集中
premium-dark プレミアムダークスタイル。暗い背景に明るい文字、洗練された印象
academic アカデミックスタイル。教育用プレゼンテーションに適合
visual-heavy ビジュアル中心のスタイル。画像の多いプレゼンテーションに適合

Theme × Styleの互換性

すべてのThemeとStyleが互換するわけではありません。THEMES.mdに定義された互換性マトリクスに従う必要があります。PMはStage 0で互換性を自動確認します。

Theme(構造)

  • HTMLレンダリング構造を決定
  • レイアウト方式(PPT、縦、横など)
  • ナビゲーション構造
  • スライド切り替え効果
  • TOCの表示方法
  • ファイル: template.html、theme.json、theme.css

Style(外観)

  • CSS変数セットを決定
  • カラーパレット(ライト/ダーク)
  • フォントファミリーとサイズ
  • 余白と間隔
  • 背景色と文字色
  • ファイル: style.css
最初は基本の組み合わせを使ってみましょう。pitch-enhancedテーマ + classicスタイルは、ほとんどのプレゼンテーションに合う安定した組み合わせです。慣れてきたら他のThemeやStyleにも挑戦してみてください。

ゲート(Gate)承認

co-deckのパイプラインにはGateという承認地点があります。Gateは、ユーザーが途中で成果物をレビューして方向を修正できる「チェックポイント」です。すべてのGateを通過しなければ次のStageへ進めません。

必須Gate

次の2つのGateは必須であり、ユーザーの明示的な承認が必要です。

  1. Gate 2(必須)— スライド内容の承認
    Stage 2-3が完了するとstoryline.mdslide_deck.mdが生成されます。PMは次のように承認を求めます。
    「⚠️ 承認するとデザインとHTML制作が始まります。承認しますか?」
    このときスライド全体の構造、各スライドの内容、画像計画、ダイアグラム計画を確認できます。修正が必要なら、この時点で方向を調整してください。
  2. Gate 5(必須)— サンプルPDFの承認
    Stage 11でpdf-exportエージェントがまず5ページのsample_5slides.pdfを生成します。PMは次のように承認を求めます。
    「レイアウトとフォントを確認してください。全体PDFを生成しますか?」
    サンプルPDFでフォントのレンダリング、レイアウト配置、色の表現などを確認します。問題があれば修正を依頼してください。

任意Gate

次のGateは任意であり、PMが自動的に進めるかレビュー後に進めます。

Gate 時点 レビュー内容 進行方法
Gate 1.5 Stage 1.5完了後 source-verification.mdの信頼スコア(Trust Score) スコアを表示し、70%以上なら自動進行
Gate 3 Stage 4完了後 design_spec.mdのテーマ/スタイル要約 要約を表示して自動進行
Gate 4 Stage 5-8完了後 HTMLスライドデッキファイル ファイル情報を表示して自動進行

Gate通過条件

  • Gate 2: ユーザーがスライド内容(構造、各スライドの文章、画像/ダイアグラム計画)を確認し、明示的に「承認」します。修正依頼があれば該当部分を修正したうえで再度承認を受けます。
  • Gate 5: ユーザーがサンプルPDFのレイアウト(フォント、余白、色、配置)を確認し、明示的に「承認」します。レイアウト問題があれば修正後に再度承認を受けます。
  • Gate 1.5: 信頼スコアが70%以上なら自動通過。70%未満ならプロジェクトが中断され、PMがユーザーに知らせます。
注意: Gate 2で承認すると大規模な作業(デザイン、画像検索、HTML制作、PDF生成)が始まります。スライドの内容は必ず丁寧に確認してください。Gate 2の後に内容を修正すると、該当段階から再実行が必要になることがあります。

PMへの話しかけ方

co-deckを使うには、Claude Desktop Appでco-deckプロジェクトを開き、PMエージェントに要望を送ります。効果的な要望はプレゼンテーションの品質を大きく引き上げます。

要望の5つのコア要素

良い要望には次の5つの要素が含まれます。

  1. 主題(Topic) — 何についてのプレゼンテーションか?
  2. 聴衆(Audience) — 誰のためのプレゼンテーションか?
  3. 水準(Level) — 初心者向けか、専門家向けか?
  4. 分量(Volume) — 何枚のスライドが必要か?
  5. 言語(Language) — 韓国語か、英語か、それとも両方か?

要望の例

例1: 大学の講義資料
「人工知能入門の講義資料を作って。大学生レベル、20枚ほど。韓国語で。」
例2: 会社の業績発表
「わが社のQ3業績発表資料を作って。投資家向け。15枚ほど。韓国語で。」
例3: 技術セミナー
「クラウドアーキテクチャ基礎セミナーの資料を作って。IT部門の新入社員向け、10枚ほど。英語で。」
例4: 手軽なミニ発表
「機械学習の5つのコア概念についてのミニ発表資料を作って。5枚。初心者向け。韓国語で。」

良い要望 vs 今ひとつの要望

良い要望

  • 主題が明確:「人工知能入門」
  • 聴衆が具体的:「大学生」
  • 水準が明示:「入門レベル」
  • 分量がある:「20枚ほど」
  • 言語が明示:「韓国語」
  • PMがすぐエージェントをディスパッチできる

今ひとつの要望

  • 主題が曖昧:「なんか作って」
  • 聴衆がない:誰に発表するのか不明
  • 水準が不明:専門家向けか初心者向けか分からない
  • 分量がない:5枚なのか50枚なのか分からない
  • 言語がない:韓国語なのか英語なのか指定されていない
  • PMがユーザーに追加質問をしなければならない
最初は簡単なテーマから始めてみましょう。「機械学習の基礎概念、5枚、初心者向け、韓国語」程度のシンプルな要望でco-deckの動きに慣れることをおすすめします。

演習: ミニプレゼンテーションを作る

この演習ではco-deckを使って5枚のミニプレゼンテーションを作ります。テーマは「機械学習の5つのコア概念」で、初心者を対象にした簡単な発表資料です。

演習の目標

  • ワークスペースのリポジトリをクローンしてプロジェクトを設定する
  • Claude Desktop AppからPMエージェントに要望を送る
  • 11段階パイプラインの進行を観察する
  • Gate 2とGate 5の承認を経験する
  • 最終成果物(HTMLとPDF)を確認する

事前準備

第3章でインストールしたツールが正常に動くか確認してください。

  1. Claude Desktop App — Claude AIと対話できる状態であること
  2. Git — リポジトリをクローンできること
  3. ブラウザ — HTMLスライドデッキを開けるブラウザ

演習の手順

  1. ワークスペースのクローンとプロジェクトのスキャフォールド
    前の章でまだワークスペースをクローンしていなければ先にクローンし、そのうえでnew-project.tsでco-deckバリアントから新規プロジェクトをスキャフォールドします。
    git clone https://github.com/5throck/ai-workspace-standards.git
    cd ai-workspace-standards
    bun scripts/new-project.ts "co-deck" --variant co-deck
    このコマンドはProjects/co-deck/を独立したGitリポジトリとして生成し、co-deckバリアントのエージェント・スキル・設定をすでにコピー済みの状態にします。
  2. Claude Desktop Appでプロジェクトを開く
    Claude Desktop Appを起動し、Projects/co-deck/フォルダをプロジェクトとして開きます。Claudeに次のように話しかけてPMを開始します。
    「新しいプロジェクトを始めます。」
    PMはStage 0(プロジェクト設定)に入り、テーマ、対象、Theme、Styleなどを尋ねてきます。
  3. PMに要望を伝える
    PMの質問に答えながらプロジェクトを設定します。次のように応答してみましょう。
    「機械学習の5つのコア概念についてのミニ発表資料を作って。5枚。初心者向け。韓国語で。」
    PMが要望を分析し、lecture-profile.mdの設定項目(Theme、Style、source_verificationなど)を案内します。
  4. Stage 0の設定(主題・対象・言語)
    PMは次の項目を確認します。初心者は既定値をおすすめします。
    • Rendering theme: pitch-enhanced(既定値)
    • Visual style: classic(既定値)
    • Source verification: true(既定値)
    • Divider mode: auto(既定値)
    すべての設定を確認したら、PMに進行を指示します。
  5. Gate 2の承認(スライド内容の確認)
    Stage 1(リサーチ)とStage 2-3(コンテンツ)が完了すると、PMがGate 2で承認を求めます。slide_deck.mdを開いて次の点をチェックしましょう。
    • スライド構造は論理的か?
    • 各スライドの内容は正確か?
    • 表紙スライドと締めのスライドは適切か?
    確認後、次のように応答します。
    「スライドの内容を確認しました。次の段階へ進めてください。」
    修正が必要なら具体的に伝えます。
    「3枚目のスライドの内容をもっとやさしく説明して。」
  6. Gate 5の承認(サンプルPDFの確認)
    Stage 11でsample_5slides.pdfが生成されると、PMがGate 5で承認を求めます。サンプルPDFで次を確認しましょう。
    • フォントが崩れず正しく表示されているか?
    • レイアウトの配置は適切か?
    • 色が意図どおりに表現されているか?
    確認後、次のように応答します。
    「サンプルPDFを確認しました。全体PDFを生成してください。」
  7. 最終成果物の確認
    すべてのStageが完了すると、presentations/<project>/フォルダで最終成果物を確認できます。具体的な確認方法は次のセクションで説明します。
最初は5〜10枚程度の短いプレゼンテーションから始めましょう。枚数が少なければパイプライン全体が速く完了し、co-deckの動きを素早く把握できます。経験を積んでから、20〜30枚以上の本格的な講義資料に挑戦しましょう。
注意: co-deckのエージェントはClaude APIを通じて動作します。演習中、Claudeの応答が遅くなったりタイムアウトしたりすることがあります。複雑なプレゼンテーション(画像やダイアグラムが多い場合)は時間がさらにかかることがありますが、これは正常な動作です。

成果物の確認

co-deckプロジェクトが完了すると、いくつもの成果物が生成されています。このセクションでは各成果物の場所と確認方法を説明します。

成果物の場所

すべての成果物はpresentations/<project>/ディレクトリに保存されます。プロジェクトルートからは次の経路でアクセスできます。

Projects/co-deck/presentations/<project-name>/

主要な成果物

ファイル 説明 生成Stage
lecture-profile.md プロジェクト設定ファイル(テーマ、対象、Theme、Styleなど) Stage 0
project_state.json プロジェクト進行状態(各Stageの完了可否、Gate承認状況) Stage 0+
research_notes.md ウェブ検索で収集した資料・統計・出典の整理 Stage 1
source-verification.md 出典の信頼性検証結果と信頼スコア(Trust Score)(任意) Stage 1.5
storyline.md スライド全体の構造とナラティブ設計 Stage 2-3
slide_deck.md スライドごとの内容(タイトル、本文、画像計画、ダイアグラム計画) Stage 2-3
design_spec.md デザインスペック(色、フォント、レイアウトCSS変数) Stage 4
image-manifest.json ダウンロードした画像の一覧とメタデータ(任意) Stage 3.5
diagram-manifest.json 生成されたダイアグラムの一覧とメタデータ(任意) Stage 3.5
lecture_v1.html 単一ファイルHTMLスライドデッキ(インタラクティブ・レスポンシブ) Stage 5-8
sample_5slides.pdf 5ページのサンプルPDF(Gate 5承認用) Stage 11
<project>.pdf 全体PDF(Gate 5承認後に生成) Stage 11

HTMLスライドデッキの特徴

lecture_v1.htmlはco-deckの中核成果物です。次のような特徴があります。

  • 単一ファイル: すべてのスライド、画像(エンコード済み)、CSS、JavaScriptが1つのHTMLファイルに含まれています。ファイル1つを送ればどこでも開けます。
  • インタラクティブ: スライド切り替え、キーボードナビゲーション、TOC(目次)ドロワー、発表者モード、TTS(テキスト読み上げ)などの機能を備えています。
  • レスポンシブ: 画面サイズに応じてレイアウトが自動調整されます。デスクトップでもモバイルでも使えます。
  • オフライン利用: ウェブ接続なしでもブラウザで直接開いて発表できます。

PDFの特徴

<project>.pdfは印刷向けの成果物です。

  • 印刷用: レイアウト、フォント、色が保持され、A4またはLetter用紙への印刷に適しています。
  • 配布用: メールや文書共有プラットフォームを通じて手軽に共有できます。
  • 保管用: 長期保管にはPDF形式が最も安定しています。

成果物を開く方法

  1. プロジェクトフォルダを開く
    ターミナルでプロジェクトフォルダへ移動します。
    cd Projects/co-deck/presentations/<project-name>/
    ls
  2. HTMLスライドデッキを開く
    lecture_v1.htmlファイルをブラウザで開きます。スライド切り替え、TOC、発表者モードなどを体験してみましょう。
    # macOS
    open lecture_v1.html
    # Windows
    start lecture_v1.html
    # Linux
    xdg-open lecture_v1.html
  3. PDFを開く
    <project>.pdfファイルをPDFビューアで開き、印刷用レイアウトを確認します。フォント、余白、色がHTML版と一致しているか比べてみましょう。
  4. 中間成果物を確認する
    slide_deck.mdを開いてスライドごとの内容構造を確認しましょう。research_notes.mdでは、リサーチエージェントが収集した資料を見ることができます。
    cat slide_deck.md
    cat research_notes.md
  5. project_state.jsonを確認する
    プロジェクト全体の進行状況を確認できます。各Stageの完了可否とGate承認状況が記録されています。
    cat project_state.json

ファイル構造まとめ

co-deck/
├── agents/                        # エージェント定義ファイル
│   ├── pm.md
│   ├── research.md
│   ├── storyline.md
│   ├── design.md
│   ├── html-build.md
│   ├── pdf-export.md
│   └── ...
├── docs/html-themes/               # ThemeとStyleのレジストリ
│   ├── THEMES.md
│   ├── themes/                    # pitch、pitch-enhanced、outline、vertical、zen、...
│   └── styles/                    # classic、minimal、premium-dark、academic、...
├── presentations/
│   └── <project-name>/
│       ├── lecture-profile.md     # Stage 0: プロジェクト設定
│       ├── project_state.json     # プロジェクト進行状態
│       ├── research_notes.md      # Stage 1: リサーチ結果
│       ├── storyline.md           # Stage 2-3: スライド構造
│       ├── slide_deck.md          # Stage 2-3: スライドごとの内容
│       ├── design_spec.md         # Stage 4: デザインスペック
│       ├── assets/
│       │   ├── images/            # Stage 3.5: ダウンロードした画像
│       │   └── diagrams/          # Stage 3.5: 生成したSVGダイアグラム
│       ├── lecture_v1.html        # Stage 5-8: HTMLスライドデッキ
│       └── <project>.pdf       # Stage 11: 最終PDF
├── scripts/co-deck/               # 自動化スクリプト
└── memory/                        # セッション記録
成果物はClaude Desktop Appのチャット画面でも確認できます。Claudeが生成したファイルの内容は会話中にプレビュー可能です。さらにproject_state.jsonにより、現在プロジェクトがどのStageにいるのかリアルタイムで確認できます。
成果物を活用する方法: 完成したHTMLスライドデッキは会議や講義でそのまま使えます。PDFはチームメイトとの共有や講義資料としての配布に最適です。co-consult(第6章)の分析レポートと組み合わせれば、分析内容に基づいたプレゼンテーションを作ることもできます。