付録F・Hermes

付録F・Hermes Agents 運用

既存のワークスペースガバナンスを保ったままHermes Agentを安全に利用する手順と境界を整理する。

この章で扱うこと
  • Hermes platform surface
  • Trust and context budget
  • Skill mirrors and AGENTS.md
  • Verification and troubleshooting

Hermesのプラットフォーム表面を理解する

Hermes Agentはモデル提供者から独立したCLIハーネスである。プロジェクトでは.hermes/skills/を優先スキル経路として使う。この場所はskills/のSSOTから同期されたミラーでなければならない。

Hermesはディレクトリを走査してスキルを見つけるため、登録用のmanifestや別のコマンドミラーは不要である。実際に読まれる表面だけを維持する。

Hermesのプラットフォーム表面を理解する SSOT · Hermesのプラットフォーム表面を理解する SSOTMirrorTrustVerify
確認項目意図
スキル .hermes/skills/ ミラー
呼出し /skill-name
manifest 作らない
コマンドミラー 作らない
標準: skills SSOT → 同期 → Hermesミラー → スキル呼出し

信頼設定とコンテキスト予算は利用者が管理する

Hermesは利用者設定の信頼済みプロジェクトだけからスキルを自動読込する。これはプロンプト注入を防ぐ安全境界であり、リポジトリが迂回してはならない。

大きなAGENTS.mdは既定の長さ上限で静かに切られることがある。AGENTS.mdは薄いディスパッチャにし、詳細な規則はポインター先の文書へ置く。

信頼設定とコンテキスト予算は利用者が管理する Mirror · 信頼設定とコンテキスト予算は利用者が管理する SSOTMirrorTrustVerify
確認項目意図
信頼は利用者所有。プロンプト注入への信頼境界をリポジトリではなく利用者が管理するため。
AGENTS.mdは最小安全規則。文脈予算内で必須規則だけを初回ロードに載せるため。
詳細は参照文書。深い規則は必要時にのみ読み、切断とコストを避けるため。
切断警告を確認する。切断されたAGENTS.mdによる静かな誤動作を納品前に防ぐため。
標準: 信頼済みプロジェクト → AGENTSポインター → 規則読込 → 実行

演習

大きなAGENTS.mdは既定の長さ上限で静かに切られることがある。AGENTS.mdは薄いディスパッチャにし、詳細な規則はポインター先の文書へ置く。

# User-side Hermes onboarding
hermes config set context_file_max_chars 100000

# Then add the project root to skills.trusted_project_dirs
# using the Hermes user configuration. Do not commit user configuration
# or bypass the trust control from the project repository.

HERMES.mdは薄いプラットフォーム指示ファイルである

ADR-0093により、L0・L1とすべてのL2 variantにHERMES.mdが追加されました。CLAUDE.md・GEMINI.md・CODEX.mdと同じ系列のプラットフォーム専用の行動指針で、AGENTS.mdのコピーではありません。Hermesはコンテキストファイルを1つだけ読み、既定の上限が20,000文字であるため、HERMES.mdはすべての階層で19,000文字未満に保ち、詳細はポインタでつなぎます。

当初ADR-0088(2026-09-25)はAGENTS.mdを隠さないよう別の指示ファイルを作らない方針だったが、AGENTS.mdが20,000文字の上限で切り詰められることが確認され、ADR-0093(2026-09-27)がこの決定を改めた。AGENTS.mdは共通の登録簿(SSOT)として残り、Hermesは専用のHERMES.mdを読んでからポインタをたどってAGENTS.mdとガバナンス文書へ進む。.hermes/skills/は引き続き独立した編集場所ではなく同期された配布コピーである。 ファイル名は必ず大文字のHERMES.mdでなければならない。Hermesは.hermes.mdとHERMES.mdという正確な名前しか探さないため、大文字小文字を区別するLinux・Docker環境ではHermes.mdは読まれない(ADR-0093修正2)。

ミラー、指示、安全境界を検証する

導入済みであることは安全な運用の証明ではない。ミラーの存在、除外対象の不在、AGENTS.mdのポインター、信頼とコンテキスト設定を確認する。

スキルが見つからないときは、モデルやプロンプトを変える前に信頼、ミラーの鮮度、コンテキスト読込を確認する。

ミラー、指示、安全境界を検証する Verify · ミラー、指示、安全境界を検証する SSOTMirrorTrustVerify
確認項目意図
1. プロジェクトは信頼済みか。スキル自動ロードの前提をまず確認するため。
2. ミラーは同期済みか。古いミラーが旧スキルを実行する事故を防ぐため。
3. HERMES.mdは19,000文字未満でポインタは有効か。指示ファイルの唯一の情報源を守るため。
4. 切断・同期失敗がないか。警告のない清浄な状態で引き渡すため。
標準: 作成 → 信頼登録 → ミラー確認 → コンテキスト確認 → 監査証拠
自己確認
  1. .hermes/skillsミラーはいつ更新され、どの検査で同期を確認するか。
  2. ADR-0093がHERMES.mdを導入した理由とサイズ制限は何か。
  3. プロジェクト信頼設定(skills.trusted_project_dirs)の所有者は誰で、リポジトリが変更してはならないのはなぜか。
  4. 文脈切断警告が出たら、納品前に何をすべきか。

設定手順と確認コマンド

リポジトリが利用者の信頼設定を変更することはない。Hermes 設定でプロジェクトルートを明示的に信頼した後、同期済みの .hermes/skills/ ミラーと薄い AGENTS.md を確認する。

利用者の信頼 → ミラー → AGENTS.md → /skill-name利用者の信頼 → ミラー → AGENTS.md → /skill-name
# User-owned configuration
hermes config set context_file_max_chars 100000
# Add the project root to skills.trusted_project_dirs in user configuration.
# ユーザー設定はコミットせず、HERMES.mdは19,000文字未満に保つ。

トラブルシューティング:症状よりロード順を先に確認する

スキルが見えなければ信頼パスとミラーを、規則が欠ければ AGENTS.md の長さとポインターを、指示が競合すれば HERMES.mdとAGENTS.mdのポインタが一致しているかを先に確認する。

SymptomFirst check
Skill unavailabletrusted_project_dirs and .hermes/skills mirror
Rule missingthin AGENTS.md and its pointer targets
Conflicting instructionHERMES.mdのポインタとAGENTS.md(SSOT)の一致

co-workspaceサービス

ADR-0092は、variantのエージェントチームをWebで使えるようにするL0サービス(当初の名前はteam-gateway、現在はservices/co-workspace/)を導入しました。テナントごとにnew-project.ts --platform hermesでプロジェクトを作成し、テナント別のHERMES_HOMEでヘッドレスのHermesを実行します。OpenAI・Anthropic互換APIでvariantをモデルとして公開し、スキャフォールドされたプロジェクトには配布されないワークスペース専用の構成要素です。

同時期のその他の変更

同じ時期に次の変更もありました。new-projectスキルが追加され、variantプロジェクトのスキャフォールドをL0からスキルとして呼び出せます(スクリプトの直接実行も引き続き可能)。ルートエージェントにスキルグラフ分析を担うskill-graph-analystが加わりました。ADR-0091はco-newbiz方式をKRプロファイル(4層)とプロジェクトLLM設定(<PROJ>_LLM_*環境変数)の標準に定めました。/meetingコマンドは2026-09-26に廃止され、meeting-facilitationスキルに置き換えられています。